ブログ

スタイルガイドを持つことの重要性

スタイルガイドを持つことの重要性

 

皆さんは、「コンピュータ」「コンピューター」のどちらで表記をしますか? 
「日米」「日本とアメリカ」のどちらにするでしょうか?  
「〇〇という本」と「〇〇と言われている」では「いう」「言う」の表記を変えてるでしょうか?

 

このように、日本語において、「どちらの表記も正しい」「よく見られる誤用で、どちらも正しいと思われている」などというものが数多くあります。

 

これは英語でも同じ。しかし、どちらでも正しいからと言って、複数の書き方を1つの書類などで使うと、プロフェッショナルではないと思われてしまいます。

 

短いメールであればそれほど気にならないかもしれませんが、契約書などであれば、混用が起きやすいですし、それによって誤解も生まれかねません。

 

それを避けるために使われるのが、Style guideと呼ばれるもの。

自分の業務などでよく使う表現を中心に、「自分は(この組織では)このように表記すると決め、一貫性をもたせる」というのがStyle guideです。

 

例えば、「アメリカ」「米国」「アメリカ合衆国」のように日本語でも色々な書き方がありますが、
英語でもthe United States, the United States of America, the U.S., the US, the U.S.A., the USAなど色々あります。

 

Style guideとして、
「パラグラフの中で最初に言及する場合はthe United Statesと書き、2回目以降はthe U.S.と書く。新しいパラグラフでは、同じことを繰り返す。」
と決めておけば、どれだけ長い文章になっても一貫性を持たせることができます。
「なんかバラバラの書き方をしているなあ」と思われずに済みます。

 

また、どのStyle guideにも記載がある要素の1つに、コンマの使い方があります。
例などを羅列する場合、A, B and Cとするか、A, B, and Cとするか。
どちらも文法的には正しいのですが、統一することが望ましいとされています。
その統一がなかったがゆえに誤解が発生し、訴訟になったことさえあります。

 

数字の書き方も多くのStyle guideで定義されています。
「10までの数字はNineのようにスペルアウトし、10以上は、数字を書く」であったり、それが100までであったり。
「小数点があったら、10以下でも数字を書く」「1つの文章の中に、10未満と10以上がある場合は、常に数字を書く」など。
50%と書くか、50 percentと書くかの統一も必要です。

 

このようなStyle guideが最も用いられているのは出版業界ですが、
同時に会社などの組織で、インターネットサイトなどを扱うコミュニケーション部門であったり、法務部門であったり、公式の文章を書く必要のある組織にはきちんとStyle guideが準備されていることが多いです。

 

 

 


 

筆者:木内 裕也  PEGL[ぺグル]-実践ビジネス英語講座-講師

ミシガン州立大学アメリカ研究博士号取得。国際会議、企業間交渉、テレビ放送などでの同時通訳ならびに実務翻訳を中心に活動。バラック・オバマ元大統領の自伝、マイ・ドリームの翻訳者。アフリカ系アメリカ人の歴史と文化を学術専門分野としてデトロイトやボストンなどで研究を行う。ミシガン州立大学では、アメリカ研究、大衆文化の授業を担当。上智大学で通訳講座を担当した経歴も持つ。TOEIC、TOEFLで満点、英検1級など主要な英語資格検定で最高峰の記録を持つ。

 

特典

今なら一流の経営コンサルタント・経営者・起業家・MBA教授による

動画教材7000時間分(AirSearch+大前研一ライブ、月額18,700円分)が無料

大前研一

ビジネス・ブレークスルー大学 学長
大前研一

フィル・ナイト

ナイキ 創業者
フィル・ナイト

ダニエル・ピンク

ビジネスジャーナリスト
ダニエル・ピンク

照屋華子

日本通訳サービス代表
関谷英里子

内田和成

内田和成

高橋俊介

慶應義塾大学 SFC研究所 上席所員
高橋俊介

楠木建

一橋ビジネススクール 教授
楠木建

照屋華子

BBT大学大学院 客員教授
照屋華子

最新情報やお得なキャンペーンをお届けします