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発言や質問を強調する

発言や質問を強調する

日本語で会議をしているときに、「〇〇だと思います」「XXはどうですか?」と発言したり質問することがありますね。同時に、「1つ発言してもいいですか?」「1つ質問させてください」などと断りを入れてから発言や質問をすることもあります。
このような表現は必ずしも発言や質問の許可を取るというのではなく、聞き手の集中を促すとか、これから言うことに一層の重みをもたせる目的などを持つことが多いです。

 

英語でも同じような表現があります。
May I make a comment here?とか、I would like to make a comment.など、
make a comment「発言をする」「コメントをする」という表現で「1つ発言させてください」と言います。
Statementという単語もありますが、「発言」というよりも「公式発表」のような意味が強い単語ですから、「1つ言わせてください」という場合にはCommentのほうがいいですね。

 

また、I do have to say ….という表現もあります。
「〇〇と言わなくてはいけません」というのが直訳。
例えば大きなプロジェクトが終了して、佐藤さんの貢献が非常に大きかったとします。
Sato san’s contribution was immense.「佐藤さんの貢献は莫大でした」とだけ言うことも可能。
しかし、I do have to say that Sato san’s contribution was immense.というと、日本語でもそうですが、「佐藤さんの貢献が莫大だったと言わなければいけません」となり、佐藤さんの貢献をより強調することができます。
I do have to sayは言い換えれば、It is important to note…(〇〇という点が重要です)やLet’s not forget …(〇〇を忘れてはいけません)の意味と似ていますね。

 

質問をする場合はどうでしょうか?
「1つ質問させてください」を直訳して、May I ask a question?ということは問題ありません。
ただ、Does anyone have a question?(質問のある方はいますか?)とか、We would like to invite questions.(質問の時間です)という発言の後に、May I ask a question?というのは不自然。
日本語の会議では、質疑応答の時間であるのに、「質問して良いですか?」という発言をする人もいますが、「質疑応答の時間なので、どんどん質問してください」と思われてしまいます。

 

I do have to say…のような枕詞としては、I would like to askがあります。
Why did X happen?(なぜXは発生したのですか?)とだけ聞いてもよいですが、I would like to ask why X happened.(なぜXが発生したのか質問させてください)という風になります。
疑問文だけだとややぶっきらぼうに聞こえることがあったり、言い方次第では責任を追及しているように聞こえてしまうこともあるので、このような表現を付け加えることで少し柔らかい表現になります。

 


 

筆者:木内 裕也  PEGL[ぺグル]-実践ビジネス英語講座-講師

ミシガン州立大学アメリカ研究博士号取得。国際会議、企業間交渉、テレビ放送などでの同時通訳ならびに実務翻訳を中心に活動。バラック・オバマ元大統領の自伝、マイ・ドリームの翻訳者。アフリカ系アメリカ人の歴史と文化を学術専門分野としてデトロイトやボストンなどで研究を行う。ミシガン州立大学では、アメリカ研究、大衆文化の授業を担当。上智大学で通訳講座を担当した経歴も持つ。TOEIC、TOEFLで満点、英検1級など主要な英語資格検定で最高峰の記録を持つ。

 

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