ビジネスでの予算の考え方
業界や業種に限らず、お金の話は重要です。「お金の話を表立ってするのは品が無い」と言われたりしますし、「お金のために仕事をするわけではない」と言う人もいるかもしれませんが、お金が原因で仕事がうまくいかなくなったり、取引先との人間関係が崩れてしまうことも決して少なくはありません。
たまにあるのが、予算に対する考え方の違いです。「Aというプロジェクトを2000万円でお願いします」と契約したとします。その後に別の契約をする可能性があるかどうかの話が最初の段階からなされることもあるでしょうし、逆に何もないこともあるでしょう。
Aプロジェクトも7割程度終了したところで、「Bプロジェクトもお願いしたい」という話になります。その時、Bプロジェクトの詳細ばかりに話が行くと、話し合いがうまくいかなくなることも。特に、お金を払う側の立場が明らかに強く(例えば企業サイズであったりします)、またお金を払われた側が「2000万円じゃ足りなかったな」と思っていたら、なおさら。
「これ以上、大したお金をもらえないのに、仕事だけさせられるのは嫌だ」と思い込んで話し合いに臨む可能性もあります。交渉がなかなか進まず、気づいてみれば、請け負う側が「どうせ追加の契約金もなくBプロジェクトもやれって話でしょう。それは嫌だ。」と思い込んでしまっていることも。「いやいや、もちろんBプロジェクトのお金は別に払いますよ!」と言ってやっと交渉が再度進展することも少なくないです。
このようなシーン、決してお互いに悪意があるわけではありません。請け負う側はより慎重になっているだけですし、お願いをする側は、「もちろん言うまでもなくお金を払う」と思っています。よくAssumption(思い込み)には気をつけろ、と言いますが、「思い込みで失敗をしないように」という請け負い側の慎重な姿勢を十分に理解する必要があるでしょう。
ちなみに、今回のテーマである「予算」は英語でBudget。I don’t have any budget.(予算が全然ない)とか、We need a bigger budget.(もっと予算が欲しい)という風に、Budgetを名詞で使うことも多いですが、同時にBudgetを動詞で使うこともあります。
You will need to budget at least $500,000 every year only to maintain the system.(システムの維持だけで、年に500,000ドルは予算をとっておいた方がよいよ)とか、I did not budget for this equipment to break down this year.(今年この機械が壊れるとは思っていなかったら、その分の予算は取っていなかった)などという風に表現することができます。
筆者:木内 裕也 PEGL[ぺグル]-実践ビジネス英語講座-講師
ミシガン州立大学アメリカ研究博士号取得。国際会議、企業間交渉、テレビ放送などでの同時通訳ならびに実務翻訳を中心に活動。バラック・オバマ元大統領の自伝、マイ・ドリームの翻訳者。アフリカ系アメリカ人の歴史と文化を学術専門分野としてデトロイトやボストンなどで研究を行う。ミシガン州立大学では、アメリカ研究、大衆文化の授業を担当。上智大学で通訳講座を担当した経歴も持つ。TOEIC、TOEFLで満点、英検1級など主要な英語資格検定で最高峰の記録を持つ。
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