グローバルビジネスにおいて見落としがちな時差への配慮
グローバルプロジェクトには時差が付き物。最近ではZoomなどが広まったことで、時差をまたいだビデオ会議などの数も増えているのではないでしょうか?
今までであればメールを送っておいて、翌日の出勤までに返事が来ているかな?と思っていたような案件でも、気軽にビデオ会議をセッティングすることもあります。
そんな時に気を付けなければいけないのは、時差。
時差に気を付ける、と聞くと最初に思い浮かぶのは、何時に会議を行うか、ということではないでしょうか? 日本の朝に会議を行えば、アメリカは夜。日本の夜であれば、アメリカは朝。朝9時から夜の5時を就業時間とすると、残念ながら重なる時間はありません。
ヨーロッパと日本や、ヨーロッパとアメリカであれば、ギリギリお互いの就業時間内に会議を行うことは可能。しかし、日本とヨーロッパとアメリカで会議をすれば、就業時間を少し外れるどころか、誰かは早朝や深夜になります。この点に気を付けて会議の時間を設定することはもちろん重要です。
しかし、グローバルプロジェクトで気を付けるべきことはそれだけではありません。そもそもの時差の計算に苦労することもあります。
例えば、ヨーロッパの中でも時差がありますね。日本から南に下がったオーストラリアでは、南北に移動すると時差が生まれることがあります。例えばシドニーからブリズベンは南北の移動ですが、1時間ずれます。
しかし、ブリズベンはサマータイムがあるのに対しシドニーはありませんから、場合によっては1時間の時差が無いことも。アメリカも同じです。サマータイムのない州もあります。インディアナ州は東部時間ですが、一部は中部時間。シカゴが中部時間なので、シカゴに近い街が一部、中部時間を採用しています。
このように複雑な時差が少なくありません。もちろん、会議を設定するときには注意をして開始時間を個人で確認することが大切。しかし、サマータイムの始まるタイミングなど、例えば日本にいるとあまり意識をしないこともあるでしょう。
1時間早く会議にログインししてしまうのであればまたログインすればよいですが、1時間遅くログインをしたら取り戻すことはできません。そんなことがないように、2つの対応策がよく使われます。
1つ目は、各国の時間をよく知っている人が情報提供すること。「アメリカは来週からサマータイムです」とか「日本との時差が1時間変わります」など。一言付け加えるだけで、トラブルが避けられます。
2つ目は、プロジェクトの標準時を持つこと。例えば、このプロジェクトは常に日本時間で設定する、など。それが決まっていれば、簡単にインターネットのサイトなどで時差を確認できます。会議のホストの時間で毎回どこの国の時間を使うかが変わってしまうと、それだけミスの可能性が増えてしまいます。
筆者:木内 裕也 PEGL[ぺグル]-実践ビジネス英語講座-講師
ミシガン州立大学アメリカ研究博士号取得。国際会議、企業間交渉、テレビ放送などでの同時通訳ならびに実務翻訳を中心に活動。バラック・オバマ元大統領の自伝、マイ・ドリームの翻訳者。アフリカ系アメリカ人の歴史と文化を学術専門分野としてデトロイトやボストンなどで研究を行う。ミシガン州立大学では、アメリカ研究、大衆文化の授業を担当。上智大学で通訳講座を担当した経歴も持つ。TOEIC、TOEFLで満点、英検1級など主要な英語資格検定で最高峰の記録を持つ。
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