ビジネスシーンでの「You Know」は信頼を失う表現
英語の映画やTV番組を見ていると、You knowという表現を耳にすることも多いのではないでしょうか?
場合によると、You knowを上手に使えるといかにもネイティブスピーカーっぽくてかっこよく聞こえると思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実際には非常に注意を必要とする表現なのをご存じですか?
実際、映画などでYou knowと言っているのは誰かといえば、多くの場合は若者、高校生や大学生がよく口にします。
You knowは直訳したら「あなたは知っています」の意味、つまり「わかるでしょ?」というニュアンスです。
「うまく言えないけど、わかるでしょ?」「これで伝わっている?」という気持ちが裏にある表現。言い換えれば、自信の無さが見え隠れする表現です。
もしくは「はっきり言いたくないけど、これでわかってほしい」という意味にもなり、相手を傷つけたくないから婉曲表現を使って分かってもらいたい時などに使われます。
例えば、パーティーに誘われて、June can be a very busy month, you know.と言えば「6月って忙しいからね(言いたいこと、わかってくれるでしょ?)」の意味になりますから、誘われても参加したくないということになります。
友達同士の会話であればこのような表現も問題はありませんが、例えばビジネスとなれば誤解を引き起こすこともあるでしょう。
「わかってもらえると思ったら、わかってもらえなかった」という事象もあり得ます。
もしくは、You knowを言うたびに「この人、本当に信頼して大丈夫かな?」と相手を不安に思わせてしまうことも。
例えば、The sales in the first quarter has been stagnant, you know.「第1四半期の売り上げは停滞しています」と社外の人に話をしたとします。
You knowがつくと「そんなあなたの会社の売り上げがどうかなんて、こっちは知らないよ」と思われてしまうことも。
「知っているでしょ?」という意味ですから「そんなの知らない」「そこはあなたの仕事でしょ」という取られ方をしてしまっても、仕方ありません。
しかし、同時にYou knowを使いこなすことができれば、相手を自分の側に引き込む、もしくは相手の理解を求めることもできます。
なにか問題のある製品があり、リコールをする状況になったとします。
取引先との話し合いで、We are doing our best, you know.と言えば「精いっぱい頑張っているんですよ(わかるでしょ?)。」というニュアンス。
支持者に一層のアピールをしようとする政治家が時に使う手法でもあります。
このように、You knowは便利な表現ではありますが、ビジネスの席では気を付けることが必要。
可能であれば、なるべく使わないようにするのが良いでしょう。
筆者:木内 裕也 PEGL[ぺグル]-実践ビジネス英語講座-講師
ミシガン州立大学アメリカ研究博士号取得。国際会議、企業間交渉、テレビ放送などでの同時通訳ならびに実務翻訳を中心に活動。バラック・オバマ元大統領の自伝、マイ・ドリームの翻訳者。アフリカ系アメリカ人の歴史と文化を学術専門分野としてデトロイトやボストンなどで研究を行う。ミシガン州立大学では、アメリカ研究、大衆文化の授業を担当。上智大学で通訳講座を担当した経歴も持つ。TOEIC、TOEFLで満点、英検1級など主要な英語資格検定で最高峰の記録を持つ。
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