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自信のなさそうな表現を使わない

自信のなさそうな表現を使わない

Fake it till you make it.という表現をご存じですか?
直訳をすると「成功するまで真似事でしのげ」という意味。
「あなたは経験がないから」という理由で何かにチャレンジする機会を与えられないことは少なくありません。
しかし、チャレンジする機会が与えられなければ、成功して一層のチャレンジをすることもできません。
そこで「とりあえずチャンスをつかんで、真似事でもいいから何とか好成績を残し、次のチャンスをもらうようにしよう」というのがFake it till you make it.のニュアンス。
場合によっては、まだ上手にできるか自信のない仕事を任されたときに、不安がばれないようにいかにも自信満々で仕事に取り掛かるときにも使われる表現です。

 

このように、例え不安ばかりでもその不安を知られないようにすることは非常に大切です。
残念ながら、どれだけ自信があるように振舞っていても口から出る言葉に自信が表れていない、ということは少なくありません。
また、英語だと細かいニュアンスを知らずに実は自信がなさげな表現を無意識に使ってしまっている、ということもあります。

 

自信がなさそうに聞こえる表現の1番として挙げられるのが、Think。
「〇〇と思います」は「〇〇です」というより少し間接的な表現で丁寧な響きが日本語ではしますが、英語では自信がないと思われます。
つまり「あなたの思いはどうでもいいから、事実を教えてほしい」という気持ちを相手に持たせてしまうのです。
また「Thinkを使うことで、間違った時の責任を逃れようとしている」という風に誤解されてしまうこともあるでしょう。

 

では、Thinkだと自信がなさそうだから、Believeで「信じています」と言えばよいか、といったらそうでもありません。
「この契約を取れると信じています」は「この契約を取ります!」と比べたらとても弱いですね。
日常会話であればBelieveはThinkより強いですが、ビジネスの上では五十歩百歩の弱さ。

 

それなら、I strongly believeなどと副詞で強調すればよい、と思われるかもしれません。
しかし、StronglyやVery muchなどを使って強調することは「英語として洗練されていない」と思われてしまうだけではなく「本当は自信がないから副詞で補って何となく自信があるように思わせているんだろう」と誤解されてしまいます。

 

そうすると、結局はThinkもBelieveも使わずに言い切ることが必要。
もちろん、言い切るだけの自信がなければ、それを相手に伝えることが大切です。
しかし、言い切る自信があるのであれば、不要な単語や表現を付け加えて自信が無さそうな表現にしてしまわないように気を付けるのが大切です。

 


 

筆者:木内 裕也 PEGL[ぺグル]-実践ビジネス英語講座-講師
ミシガン州立大学アメリカ研究博士号取得。国際会議、企業間交渉、テレビ放送などでの同時通訳ならびに実務翻訳を中心に活動。バラック・オバマ元大統領の自伝、マイ・ドリームの翻訳者。アフリカ系アメリカ人の歴史と文化を学術専門分野としてデトロイトやボストンなどで研究を行う。ミシガン州立大学では、アメリカ研究、大衆文化の授業を担当。上智大学で通訳講座を担当した経歴も持つ。TOEIC、TOEFLで満点、英検1級など主要な英語資格検定で最高峰の記録を持つ。

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