グローバルビジネスにおけるリモートワークの監視システム
皆さんはリモートワークをどれくらいの頻度でされているでしょうか?
コロナの前と同じようにオフィスに戻っていらっしゃる方もいるでしょうし、もしくはほぼ100%リモートです、という人もいらっしゃるでしょう。
リモートワークで仕事の効率が悪くなる、もしくはスタッフが仕事をしなくなる、と危惧されていたのとは反対に、多くの場合には仕事の効率が上がり、また仕事をする時間も増えた、という研究結果さえも出ています。
リモートワークを好むかどうかは個人差がありますが、組織のリーダーシップをとる場合、スタッフが仕事をきちんとしているかは気になるところでもあるでしょう。
部下を信頼していないわけではなく、またきちんと仕事をこなしていても「本当にちゃんと仕事しているのかな?」と思ってしまうこともあるはずです。
また、信頼関係の構築されていない状況では、そのような疑問が生まれる可能性は一層高まるでしょう。
これはアメリカの企業も同じです。
部署レベルではなく、会社全体として監視ソフトウエアを導入している企業も実は非常に多くあります。
そして、その監視ソフトウエアが個人の評価だけではなく、賃金にも反映されています。
例えば、フリーランスの労働者や、時給で働く労働者を考えてみてください。
あるソフトウエアでは、15分に1度、ランダムにウエブカメラが写真を撮ります。
その時にパソコンの前に座っていない場合には、その15分の賃金は払われません。
ソフトウエアによっては、写真ではなく30秒のビデオを録画するものもありますし、パソコンのスクリーン上に何があるかを確認するものもあります。
また、マウスの動きが数分間以上止まっていると「休憩中」とみなすものも。
キッチンに行ってコップに水を入れることもあるでしょう。
トイレに行くこともあります。
少し離れたところに印刷機がある場合には、そこに印刷物を取りに行くことも。
リモートであれば、郵便配達や宅配便が届くことも。
突然雨が降ってきて、洗濯物を取り込むことも。
例えば1分間席を外しただけでも、15分間席を外した扱いになります。
また、仕事によっては、例えばパソコン上で書類をじっくり読みこみ、マウスを使わないこともあります。
印刷物を読みこなすこともあるでしょう。
このようなシステムは「やる気につながる」「より一層仕事に没頭するようになった」と歓迎する人も少なくありません。
しかし、同時に仕事をしているのにその仕事が認められない、という事象も増えています。
日本よりリモートワークが多く存在するアメリカでは、このような懸念も多くあります。
筆者:木内 裕也 PEGL[ぺグル]-実践ビジネス英語講座-講師
ミシガン州立大学アメリカ研究博士号取得。国際会議、企業間交渉、テレビ放送などでの同時通訳ならびに実務翻訳を中心に活動。バラック・オバマ元大統領の自伝、マイ・ドリームの翻訳者。アフリカ系アメリカ人の歴史と文化を学術専門分野としてデトロイトやボストンなどで研究を行う。ミシガン州立大学では、アメリカ研究、大衆文化の授業を担当。上智大学で通訳講座を担当した経歴も持つ。TOEIC、TOEFLで満点、英検1級など主要な英語資格検定で最高峰の記録を持つ。
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