グローバルビジネスにおける社交の文化を理解する
最近では少なくなったとはいえ、相変わらず夜の駅前には、会社の飲み会帰りと思われるビジネスパーソンが多く見かけられます。
帰りがけに「飲みに行こうか?」と同僚とどこかに行く時だけではなく、例え1か月前からスケジュールされている仕事関係のパーティーであっても、そこに家族が参加することはまず考えられません。
しかし、特にアメリカのように何事もパートナーと一緒に参加するのが当たり前のように存在している文化では「1人を呼んだら、もれなくもう1人、もしくは数人一緒についてくる」ということも少なくありません。
例えば、仕事帰りに「1杯飲みに行こうか?」となった場合。
「そうだね、飲みに行こう。でも今日はパートナーと一緒に食事をする予定だったから、彼・彼女も呼ぶね。」と許可を取るのではなく、当たり前のようにパートナーを呼ぶことがあるでしょう。
そしてそのパートナーが合流できない場合は、本人も「じゃあ、帰るわ」となることも。
そして非常に興味深いのは、そういった場所に子供が呼ばれることはまずないということ。
アルコールが出されるお店に行くから、という理由ではありません。
パートナーと2人で1単位、として行動をする人が多く、そこに子供を同伴することは考えもしないのです。
だからと言って、1人で参加する人の肩身が狭くなることもありません。
また、会合に参加しても、仕事の話ばかりでパートナーが結局退屈することもありません。
上司に気を使うこともありません。
ある意味、異文化ビジネスにおいて信頼される人とは、このような状況で誰もが楽しめる雰囲気を作り上げられる人でもあります。
豊富な話題を提供し、静かにしている人に話を振り、皆が楽しんでいる途中で切り上げるのです。
また、子供たちを含めて大人数で参加するイベントもあります。
例えば地元にある野球のマイナーリーグの試合を見に行くイベントがあるとします。
そうすると、子供も参加しますし、他の家族が参加することも。
「欧米ではビジネスとプライベートをきちんと分ける」と思いがちですが、時にはプライベートをビジネスに持ち込むことも。
やはり、このような場でも、誰もが楽しめる雰囲気を作れる人が重宝されます。
友達や同僚の結婚式などに呼ばれた場合、やはり1人で参加することはありません。
パートナーと一緒です。
招待状にも、John +1などと書かれているでしょう。
つまり、招待されているのは、Johnと、Johnが一緒に参加したいと思う人。
それは仲のいい友達かもしれませんし、配偶者かも。Do you want to be my plus one?というのは「一緒に行かない?」という誘いの表現です。
筆者:木内 裕也 PEGL[ぺグル]-実践ビジネス英語講座-講師
ミシガン州立大学アメリカ研究博士号取得。国際会議、企業間交渉、テレビ放送などでの同時通訳ならびに実務翻訳を中心に活動。バラック・オバマ元大統領の自伝、マイ・ドリームの翻訳者。アフリカ系アメリカ人の歴史と文化を学術専門分野としてデトロイトやボストンなどで研究を行う。ミシガン州立大学では、アメリカ研究、大衆文化の授業を担当。上智大学で通訳講座を担当した経歴も持つ。TOEIC、TOEFLで満点、英検1級など主要な英語資格検定で最高峰の記録を持つ。
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