英文メールは簡潔に書く
Eメールで時候の挨拶が必要かどうか、よく話題にあがります。
Eメールは一般的に使われるようになって20年以上になりますが、そのエチケットやマナーは必ずしも固定化されていないようです。
「お疲れ様です」で始まるメールもあれば、かつての手紙の様に時候の挨拶から始まるメールも。
英語でEメールを書く場合、なるべく素早く本題に入ることが大切です。
英語の構造として、1つの文章やパラグラフの中でも大切な情報を先に書き、枝葉の情報を後に書く習慣があります。
日本語では「AだからB」でも、英語だとB, because Aになることからもわかるでしょう。
英語で書かれたメールを見ると、時に本題に入るまでの背景情報が長い例が多く見られます。
もしくは、日本語で書かれたメールの英訳では、日本語では普通に感じられるすべての挨拶文がそのまま訳されていて、不自然に感じることも少なくありません。
1つの考え方として、「スマホでメールを見たときに、スクロールをしなくても本題を読むことができるか」というものがあります。
スマホの画面の上部には宛先や題名などが書かれていますから、画面の下半分にしかメッセージが示されないと考えると、スクロールせずに読めるメール本文の情報量は少なくありません。
それでも本題がわかるようなメールを書くには、余計な情報を入れるわけにはいきません。
とはいえ、「いきなり本題に入るのも不自然な感じがする」という気持ちもあるでしょう。
何かの導入が必要と思われるかもしれません。そんな時に使える表現がいくつかあります。
To Mr. Sato(佐藤さんへ)と書いた後に改行して、
Good afternoon. It was good to see you the other day. I am writing to you today about …
などはどうでしょうか?
「こんにちは。先日はお目に書かれてうれしかったです。今日メールを差し上げているのは、XXについてです」という書きかた。
It was good to see you the other day.
は非常に短い文章でありながら、いきなり本題に入ることを避けるクッションの役割を果たします。
Good afternoon.とI am writing to you about….
の間に使える似た表現として、
Thank you for your follow-up email.
「追加情報のメールありがとうございます」や
The annual convention is coming around the corner.
「年次総会が近づいています」なども使えますね。
ビジネスに関係した内容でありながら、10単語も使わずにクッション表現を含めることができます。
慣れるまでは唐突な感じがするかもしれませんが、多くのメールが届く毎日ですから、受け手はスクロールせずに大切なメールかがすぐにわかり、効率的に業務をこなすことができるので喜ぶでしょう。
また、大切なメールなのに導入が長すぎですぐに読んでもらえずに、メールが忘れられてしまうということも避けることができます。
筆者:木内 裕也 PEGL[ぺグル]-実践ビジネス英語講座-講師
ミシガン州立大学アメリカ研究博士号取得。国際会議、企業間交渉、テレビ放送などでの同時通訳ならびに実務翻訳を中心に活動。バラック・オバマ元大統領の自伝、マイ・ドリームの翻訳者。アフリカ系アメリカ人の歴史と文化を学術専門分野としてデトロイトやボストンなどで研究を行う。ミシガン州立大学では、アメリカ研究、大衆文化の授業を担当。上智大学で通訳講座を担当した経歴も持つ。TOEIC、TOEFLで満点、英検1級など主要な英語資格検定で最高峰の記録を持つ。
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