スモールトーク編:今後、Skiplagはどうなる?
最近アメリカのメディアでも話題になったSkiplagという表現についてお話しします。
日本では国内の飛行機移動が海外と比べると限られ、飛行機を乗り換えての国内移動となれば、もっと限られるかもしれません。一方で、アメリカでは地元の空港からハブの空港に飛び、そこから最終目的まで乗り換えるということがしばしばあります。
例えばアメリカのオハイオ州から日本に向かうケースを考えてみましょう。オハイオ州の自宅から国際線のあるデトロイトの空港まで、30分も掛からない国内便に乗り、デトロイトから日本に向かいます。帰りは、日本からデトロイトまで飛び、そこから国内線に乗り換えてオハイオ州の自宅に戻ります。4つのフライトに乗ることになります。
Skiplagとは、搭乗する予定のないフライトをあえて予約することを指します。例えば、さきほどの場合、オハイオ~デトロイト~日本を予約し、日本~デトロイト間だけ搭乗。デトロイト~オハイオ間はフライトを利用しません。
せっかく購入した航空券をなぜ使わないのか疑問に思いますよね。
Skiplagには2つの利点があります。1つ目は乗り換え時間が長い場合、デトロイトまで自動車で移動したほうが早いことも多い、2つ目は、しばしば追加のフライトがある航空券のほうが安価に売られていることです。
デトロイト〜日本の往復チケットが2000ドル、しかし、オハイオ〜デトロイト〜日本のフライトは1500ドル、ということも多々あります。「なんで追加のフライトがあるのに安いの?」と思われるかもしれませんが、国内線の需要を維持する目的など複数の理由があるようです。
旅行客から考えると、最後のフライトを利用しなければ、より短い時間で帰宅でき、飛行機代も安くすませることができますよね。
ですから航空券を予約する際に、乗り換えを含む旅程と含まない旅程を比較し、国内線の移動を含むフライトのほうが安い場合にはそちらを購入し、最後のフライトに搭乗しないSkiplagが少なからず行われています。
Skiplagは昔からあったことですが、コロナ以降の航空運賃高騰により目立ち始めました。そのため最近ではSkiplaggingを航空会社が問題視しはじめ、Skiplagをしたお客さんに罰金を課すケースもあるようで、今後の航空会社の対応が注視されています。
筆者:木内 裕也
PEGL[ぺグル]-実践ビジネス英語講座-講師
ミシガン州立大学アメリカ研究博士号取得。国際会議、企業間交渉、テレビ放送などでの同時通訳ならびに実務翻訳を中心に活動。バラック・オバマ元大統領の自伝、マイ・ドリームの翻訳者。アフリカ系アメリカ人の歴史と文化を学術専門分野としてデトロイトやボストンなどで研究を行う。ミシガン州立大学では、アメリカ研究、大衆文化の授業を担当。上智大学で通訳講座を担当した経歴も持つ。TOEIC、TOEFLで満点、英検1級など主要な英語資格検定で最高峰の記録を持つ。
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