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コロナ禍で学校生活を過ごした学生たちの特性とは?

コロナ禍で学校生活を過ごした学生たちの特性とは?

2020年が始まってすぐにコロナウイルスの影響で多くの学校が休校になったり、オンラインになったりしました。アメリカでは2022年の秋まで一部の授業がオンラインで行われていることもありましたし、完全にコロナ前のような授業が行われるようになるには、日本以上に時間がかかったようです。

 
そんな中、コロナ禍で高校生活の多くを過ごした学生がこの秋から大学に入学します。同様に、2019年の秋に大学に入学したアメリカの学生たちの多くが、2023年の春に卒業し、この夏・秋から就職しています。
 
オンラインでの授業ばかりでしたから、「人と共同で作業する能力を備えていないのではないか」「対面でコミュニケーションをとるのが苦手な学生が増えているのでないか」などということが多く言われ、非常に社会的関心も高いテーマです。新入社員を指導する役目を担う人々の間からは不安が聞こえてくることもあります。
 
とはいえ、インターンシップなどで新人社員となる人々とのコミュニケーションは既に取られており、同時に、リモートでのインターンシップも行われてきました。アメリカでは5月、もしくは6月から新入社員として仕事を始めた人々が多いので、それから数カ月になります。今のところは、特に「コロナの中で大学に通ったから」ということでのマイナスは見えてきていないようです。逆に、オフィスでの当たり前が大きく変化して、新入社員の方が新しい「当たり前」に馴染んでいる、と言われることも。
 
その理由の1つに、コロナの影響で社会的に様々な変化があったこと。つまり、リモートでの仕事もコロナ前と比較すると格段に増えていますし、求められるスキルも変わっています。リモートで仕事をこなす能力は、コロナ中に学校に通った学生のほうが優れていることもあります。
 
また、入学してすぐのタイミングでリモートになった学生にとって、教授と連絡をするのもオンラインでしたし、友達とグループプロジェクトをするのもオンラインでした。大切なプレゼンも卒業プロジェクトの発表もオンライン。そうすると、対面が当たり前だった人よりも、新しいビジネスの方法に一層慣れているという事実もあります。
 
常に教員の指示を受けて課題をこなす毎日の学校生活ではありませんでしたから、一部の学生は、自主的にすべきことを見つけてそれをこなすという姿勢も身に着けたようです。
 
コロナの影響は計り知れず、それによって失われたものも少なくないですが、同時に新たなスキルや姿勢が身につくことにもつながったと考えると、「コロナ禍で育った学生だから」という不安だけではなく、「だからこそ身に着けた能力」という視点で見ることもできるでしょう。
 


 

筆者:木内 裕也  
PEGL[ぺグル]-実践ビジネス英語講座-講師

ミシガン州立大学アメリカ研究博士号取得。国際会議、企業間交渉、テレビ放送などでの同時通訳ならびに実務翻訳を中心に活動。バラック・オバマ元大統領の自伝、マイ・ドリームの翻訳者。アフリカ系アメリカ人の歴史と文化を学術専門分野としてデトロイトやボストンなどで研究を行う。ミシガン州立大学では、アメリカ研究、大衆文化の授業を担当。上智大学で通訳講座を担当した経歴も持つ。TOEIC、TOEFLで満点、英検1級など主要な英語資格検定で最高峰の記録を持つ。

 

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