リモート会議に参加する姿勢の違い
コロナウイルスの影響で、ここ2年間でZoomなどを使ったリモートの会議が本当に増えました。全員がリモートで参加する会議も多いですし、Face-to-faceを基本としながら、リモートでも参加できる選択肢が与えられている会議も多いです。皆さんはリモートで会議に参加するオプションがある場合、「耳だけなら傾けられる状況にあるから参加する」と思われるでしょうか? それとも、「耳だけしか傾けられないから、参加しない」と思われるでしょうか?
Face-to-faceで会議に出る場合、会議の時間は身体が拘束されます。会議室にいる必要がありますので、例えばその時間に別の会議に参加したり、移動することはできません。逆に、リモートの場合は別の会議に参加しながら耳だけ貸す、ということもできますし、移動中に発言はできなくても聞いておくということもできます。しかし、ある意味「中途半端」な参加の仕方ですから、それが不適切、と考える人も少なくないでしょう。
実際にどのような心持でリモート会議に臨めばよいかというルールはありません。組織によっても、立場によっても、また会議の種類によっても違うでしょう。しかし、自分だけで判断するのではなく、組織や会議として、どのような参加を求めているのかをきちんと確認することは重要です。
例えば、「移動中でもいいから参加してほしい」という会議もあるでしょう。もしくは、アメリカなどまだコロナの影響で休校中の学校もありますから、そうすると「子供の面倒を見ながらでもいいから、せめて片耳だけ貸してほしい」という会議もあるでしょう。そんな時には、できる範囲で参加することが求められます。100%集中できればそれに越したことはないのでしょうが、それができない場合でも参加します。逆に、100%の集中ができる人だけに参加してほしい、という会議もあります。20人が参加していて、そのうちの半分が片耳で聞いている状況だと、会議そのものの効率が悪くなることもあります。
どちらかというと、日本ではリモートの会議でも、身体も心も集中も、すべて100%その会議に傾けるべき、という印象があります。リモート会議では会議室にいる必要はないけれど、それ以外はFace-to-faceと同じものが期待されています。片耳だけで聞いていると、「それなら参加しないほうがよい」と思われることも多いでしょう。逆に、アメリカなどでは「Fcae-to-faceでは出られないけど、リモートで聞くだけなら何とか出られます」という人が「頑張って貢献しようとしている」と評価されることもあります。日本式に100%集中できないからという理由で欠席すると、「せっかくリモートのオプションがあるのに参加しないなんて」というイメージにあることも。国や文化、習慣によって求められることが違いますので、この点にも気を付けてリモート会議に臨んでみるとよいでしょう。
筆者:木内 裕也 PEGL[ぺグル]-実践ビジネス英語講座-講師
ミシガン州立大学アメリカ研究博士号取得。国際会議、企業間交渉、テレビ放送などでの同時通訳ならびに実務翻訳を中心に活動。バラック・オバマ元大統領の自伝、マイ・ドリームの翻訳者。アフリカ系アメリカ人の歴史と文化を学術専門分野としてデトロイトやボストンなどで研究を行う。ミシガン州立大学では、アメリカ研究、大衆文化の授業を担当。上智大学で通訳講座を担当した経歴も持つ。TOEIC、TOEFLで満点、英検1級など主要な英語資格検定で最高峰の記録を持つ。
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