グローバルプロジェクトにおけるスケジューリングのコツ
プロジェクトによっては数週間単位のものもあれば、数年間にわたるものもあります。
そこで大切なのが、グローバルプロジェクトでスケジューリングをするにあたっては、休暇の知識と対応がとても重要な意味を持つ、という事です。
例えば、日本の例を見てみましょう。
4月末や5月上旬に締め切りを設定することは、どれ位あるでしょうか?
もしくは8月の中旬や、1月の上旬はいかがですか?
そのようなスケジューリングは、日本の場合だとあまりないと想像します。
逆に、そのタイミングで締め切りを設定した場合「休日返上で最後のラストスパートをかける」という状況になることもあるでしょう。
ゴールデンウィークであれば、5月6日を締め切りにした場合、実際は4月下旬にゴールデンウィークが始まる前の締め切りと変わりません。
このように、長期休暇をきちんと事前に考えてスケジューリングすることは必要です。
では、グローバルプロジェクトの場合だとどうでしょうか?
日本の休暇の様子はわかっていても、諸外国の様子はわからない、ということもあると思います。
アメリカでは、7月や8月に夏休みを取ります。
日本のお盆休みのように、同タイミングで多くの人が休みを取るというのではなく、家族の予定に合わせて夏の間に休暇を取ることが多いです。
また、11月末の感謝祭から12月末のクリスマスの間は、1週間弱の休みを取る人が多いです。
場合によっては、クリスマスの数日前から1月1日まで休む、ということも。
そうすると、夏であっても冬であっても「その1週間は担当者がいません」ということが生まれます。
「じゃあ1週間ずらそう」としても「そっちの1週間は、別の担当者がいません」という返答になることも。
そうならないように、事前の工夫が必要となります。
また、ヨーロッパだと8月の1か月を丸々休む、というひとも珍しくありません。
「最低でも3週間は休まないと、夏のバカンスではない」という考えは、なかなか日本のビジネス環境に慣れた人には理解しにくいかもしれません。
これは、グローバルプロジェクトを順調に進めるには非常に重要な情報です。
とはいえ、休暇はプロジェクトを進行させるのに不便なだけではありません。
タイミングを上手に計画すれば、クリスマス休暇中に日本オフィスでプロジェクトを進め、お正月休み前にアメリカオフィスに投げ返し、お正月休みが明けたタイミングで一緒に話し合う、などという時差プロジェクトも可能となります。
このように、グローバルビジネスでのプロジェクトは相手の文化や風習を理解した上でスケジューリングを行う、というのがいかに大切か、おわかりいただけたのではないでしょうか。
筆者:木内 裕也 PEGL[ぺグル]-実践ビジネス英語講座-講師
ミシガン州立大学アメリカ研究博士号取得。国際会議、企業間交渉、テレビ放送などでの同時通訳ならびに実務翻訳を中心に活動。バラック・オバマ元大統領の自伝、マイ・ドリームの翻訳者。アフリカ系アメリカ人の歴史と文化を学術専門分野としてデトロイトやボストンなどで研究を行う。ミシガン州立大学では、アメリカ研究、大衆文化の授業を担当。上智大学で通訳講座を担当した経歴も持つ。TOEIC、TOEFLで満点、英検1級など主要な英語資格検定で最高峰の記録を持つ。
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