定型の社交辞令に慣れる
皆さんは、How are you?と話しかけられたら、どう答えますか?
I am good.やI am doing well.などと答える方もいるでしょうし、もしくは、I am fine, thank you. And you?と答える人もいるかもしれません。
後者の答え方は、かつての英語の教科書で紹介されていた会話文ですね。
実際の会話では、How are you?のバリエーションと言える表現である、How have you been?、How are you doing these days?などの表現もよく使われます。
どちらにしても、気軽に声をかける時の表現であることには変わりありません。
決して、細かい体調の様子を聞いているわけではありません。
日本語でもそうですね。
「元気?」と久しぶりに会った友達に聞かれて「実は最近、偏頭痛が酷いんだけど、かかりつけ医に聞いても良い処方箋がないみたいで困っているんだよ」などという答えをすることはないでしょう。
少しくらい体調が悪くても「元気だよ」と答えるのではないでしょうか?
このような社交辞令として存在していて、質問をされてもその答えがある程度あらかじめ決まっている表現がいくつかあります。
今回は、そのうちの1つを紹介します。
そのような表現でとても頻繁に耳にするのは、初対面の人にI have heard a lot about you.と言われること。
「あなたのことは色々聞いています」の意味ですから「噂はかねがね伺っています」と似た表現。
日本語だとどのように返事をするでしょうか?
英語では、不必要にへりくだる必要はないですが
「そうですか? そうしたら、先週、誰もできなかった大きなプロジェクトの契約を私が1人でとってきたのをご存じですか?」
などと言うのも、特に初対面の人には望ましくありませんし、第1印象を悪くしてしまうことは間違いないでしょう。
その代わり、Good things, I hope.などと答えます。
「良い内容の噂だと良いのですが」という意味。
へりくだりすぎることもなく、また相手に会話のキャッチボールを返すことになります。
そうすると、最初に「噂は伺っています」と言った人が、Of course. It was all great.(もちろん、良いことばかりでしたよ。)と答えてくれるでしょう。
ただし、社交辞令とはいっても嘘はいけません。
Of course! All great things!などと答えた後に「〇〇をされたそうですね。」と、会話を続けられることが前提です。
ですから、何も知らない初対面の人にI have heard a lot about you.と言うのは禁物。
その後のフォローができないと「この人は初対面から嘘をついている」と思われてしまうか「もしかしてよく思い出したら、悪いことばかりだったのかな?」と不安に思わせてしまうこともあるでしょう。
初対面の人にはありきたりな響きがあるかもしれませんが、It is great to meet you.やI am pleased to meet you.などが良いでしょう。
It is great to meet you.は仕事の場でもOKですが、100%フォーマルかといえばそこまでではありません。
I am pleased to meet you.はフォーマルであり、また洗練された響き。
I am delighted to make your acquaintance.は非常にフォーマルな表現です。
筆者:木内 裕也 PEGL[ぺグル]-実践ビジネス英語講座-講師
ミシガン州立大学アメリカ研究博士号取得。国際会議、企業間交渉、テレビ放送などでの同時通訳ならびに実務翻訳を中心に活動。バラック・オバマ元大統領の自伝、マイ・ドリームの翻訳者。アフリカ系アメリカ人の歴史と文化を学術専門分野としてデトロイトやボストンなどで研究を行う。ミシガン州立大学では、アメリカ研究、大衆文化の授業を担当。上智大学で通訳講座を担当した経歴も持つ。TOEIC、TOEFLで満点、英検1級など主要な英語資格検定で最高峰の記録を持つ。
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