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AI時代のシン・グローバルリーダー入門-1

AI時代のシン・グローバルリーダー入門-1

Aoba-BBTグローバル人材開発部の宇野です。
今回のメルマガから、新テーマ「AI時代のシン・グローバルリーダー入門」と題し、世界が急速に変化し、AI技術が日常生活やビジネスに革命をもたらす中で、AIと共存し、ビジネスを加速させるグローバルリーダーになるために役に立つ情報を、皆様にご提供いたします。
 
 


 
はじめに. グローバル経営幹部に必要な能力「3つのG」
 


 
 
グローバル経営幹部に必要なコンピテンシー
 
Aoba-BBTのグローバル人材開発部では、今日の国際ビジネスの前線で活躍する経営幹部および未来の幹部の皆さんに、瞬時に状況を判断し、複数の国と文化をまたいで戦略を展開できるよう「3つのG」というフレームワークに基づいたカリキュラムを提供しています。
 
「3つのG」とは、GM(Global Management)、GL(Global Leadership)、GC(Global Communication)のことです。
 
これら「3つのG」はグローバル経営幹部に必要な能力。
グローバルビジネスを大海原を渡る船の旅にたとえると、皆さんは「船長」です。
世界をまたにかける船には、
確かな航海図(GM:Global Management)、
信頼できる船員を動かす力(GL:Global Leadership)、
そして港で通じる共通言語(GC:Global Communication)が不可欠です。
 
これらの能力は、それぞれ独立しながらも互いに深く関連しており、一つが欠ければ成功への航路は遠のくのです。それでは、なぜこれら「3つのG」が重要なのか、順を追って見ていきましょう。
 
 

GM: Global Management(ハードスキル系)
 
GMは、大海原へ出る前に船が必要とする装備です。
ファイナンスの知識は、航海に必要なカネとそれによって得られる「武器庫」や「食糧庫」を生みます。
マーケティングの基本となる業界・市場分析力は、目前の天気を予測する「気象計」の役割を果たします。
経営戦略は、目的地へと導く「航海図」といえます。
これらの装備がなければ、船は安全な港を出ることさえできません。
 
 

GL: Global Leadership(ソフトスキル系)
 
航海が始まれば、船の乗組員(従業員)は様々な困難に直面します。
異文化理解やD&Iは、「パスポート」として、さまざまな国々の港での滞在を可能にします。
リーダーシップは、乗組員が一致団結して働くための「動力」であり、論理思考や意思決定力は、迷いなく航路を選択する「羅針盤」です。
問題解決力は、突然の「嵐」に直面した時、船を安全に操る「操舵技術」と言えるでしょう。
 
 

1.4. GC: Global Communication(英語力)
 
海外の港に到着した後、船は新しい土地でのビジネスを展開するためには、外国の言葉でコミュニケーションを取る能力が求められます。
このスキルが無ければ、通訳がいない限りビジネスでは結果を出せません。
また会議や交渉においては、相手の言葉をただ理解するだけでなく、自らのロジックとニュアンスを織り交ぜながら、相手に自社の価値を伝えるスキルが必要です。
語学力に加え、プレゼンテーション、ファシリテーション力、ストーリーテリング、交渉力など、相手の心をつかみ、印象に残る物語を語り、ビジネスの成果を出す「語りの術」を駆使する必要があります。
 
 

互いに連関する「3つのG」
 
この「3つのG」が、相互にどのように機能するかを見ていきましょう。GM、GL、GCのいずれか一つでも欠けると、航海は困難を極めます。
たとえば、GMとGLがあってもGCがなければ、外国の港で商談を進めることはできません。GLとGCがあってもGMがなければ、戦略のない無計画な旅となります。
GMとGCがあってもGLがなければ、船の乗組員はまとまりのない、時に内部で争いも起こす群衆になってしまいます。
 
 

閑話休題:コロンブスのGM、GL、GC力
 
古今東西、グローバルを目指す人にとって、GM、GL、GCといったスキルセットは、新しい世界への航海を成功に導くための重要なツールです。たとえば、クリストファー・コロンブスがアメリカ大陸への航路を開拓した冒険は、現代のビジネスプランの先駆けと見ることができます。
 
コロンブスがこの歴史的な航海に出る前には、緻密なビジネスプランが必要でした。彼のプランには、新しい貿易ルートを開拓するという明確な目的と、そのための戦略が含まれていました。これは、今日の経営戦略と同じく、目標達成のためのロードマップを示すものでした。
 
資金集めは、現代のスタートアップが投資家を説得する過程に似ています。コロンブスは、イザベル女王ら「投資家」に、自分の計画の実現可能性を示し、彼らの支援を取り付けることが必要でした。「ビジネスプラン」および「ファイナンス」技術が必要だったと言えます。
 
さらにコロンブスはイタリア出身で母国語はイタリア語でしたが、スペイン語、ラテン語も話すことができたと言われています。
 
スペイン王室に資金援助を訴えた際も、彼のスペイン語の能力は重要な役割を果たしたと言えそうです。航海中や航海後の活動においても、必要不可欠な言語だったでしょう。またラテン語は、当時の学問や外交において公用語として使われていました。
 
コロンブスが外国語を話せたことによって、異文化の人々とコミュニケーションがとれ、航海を成功させるための準備ができたと言えるでしょう。
マーケティングの観点から見ると、コロンブスは自身の航海に対する期待を高め、サポートを獲得するために、当時の「市場」に自分のアイデアを売り込む必要がありました。彼の情熱と説得力は、今日でいう「プレゼンスキル」に相当し、そのビジョンを共有させる「構想力」が彼の計画に資金と支持をもたらしました。
 
最後に、人材採用では、コロンブスは航海に適した乗組員を見極め、乗務するために彼らを募る必要がありました。また彼自身、乗組員を厳しい航海の中で一つの目標に向かわせるためには、チームワーク力、リーダーシップ、モチベーションといった技術が不可欠でした。
 
このようにコロンブスは、当時の常識にとらわれず、乗組員と新しい航路を目指し、アメリカ大陸を発見したことから、相当なリーダーシップ力があったと言えるでしょう。
 
一方で、当時からすると考えづらい「IF」ですが、もし、GLに含まれるD&I力やグローバルマインドセットを彼が学んでいたならば、歴史は変わり、アメリカ大陸の先住民族に対して残忍な行為を行わなかったかもしれません。
 
コロンブスのような探検家にとっても、現代のグローバル経営幹部にとっても、成功への道は、戦略的な計画、資金の調達、アイデアの売り込み、そして優秀な人材の確保といった共通のスキルによって支えられています。
 
これらは、はるか昔の大海原を越えて新世界を目指す航海であれ、21世紀の競争の激しいビジネス環境においても、変わらぬ価値を持つ経営の基本であると言えるでしょう。
 
次回は、上記で取り上げた3つのスキルに加え、グローバルリーダーに必要なもう一つの大事な力についてお話していきます。お楽しみに。
 
 


 
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筆者:宇野令一郎
BBT グローバル人材育成事業本部長


 

 

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